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 ペナルティ・エリア内に入ってからシュートするだけなら、シュートのチャンスはほぼ半減するでしょう。プレーヤーはもっと得点を確実にできるチャンスを求めて、もう1人かわそうとかもう1回パスしようとしがちです。しかし、大半はうまくいかず得点はできないのです。

 では、自分に絶対有利な条件、フリーでシュートしたらどうなるか。ペナルティ・サークルの内側から、グラウンダーのボールを出し、ゴールキーパーだけをつけてシュートを10回打たせてごらんなさい。得点できるのはせいぜい1〜2回でしょう。

 一方、シュートするプレーヤーとゴールキーパーの問に何人かのプレーヤーを配した場合は、得点回数は増えることでしょう。その理由として次の2つ考えられます。

■プレーヤーがゴールキーパーのブラインドとなりキーパーはボールをはっきりとらえられない。

■ボールがプレーヤーの1人に当たってはね返る可能性があり、すでにボールに対して反応したキーバーはバランスをくずしてしまう。  

 シュートするプレーヤーとゴールキーパーの間に他のプレーヤーが介在することによって、数多くのシュートがブロックされる可能性がある反面、それによって予測しない(ディフェンダーにとって)局面が展開して攻撃する側にとって有利な展開になることがあります。これはディフェンスの混乱を意味します。

 ペナルティ・エリアの外側から数多くのシュートを打ったり、エリア内に多くの攻撃プレーヤーを送り込もうとするのは、こういったより多くのチャンスを作ろうという理由からなのです。

 現実にはペナルティ・エリア外からのシュートが少ないのは何故でしょう。これには次の3つの理由があります。

■彼らはそれが得点のチャンスである、またはそのチャンスを作りだすものだ、という判断ができない。

■彼らは強烈なシュートを打ち込めないと自分であきらめている。

■彼らはミスしたら、遠い距離からシュートしたことを非難されはしないかと恐れている。

 前の2つの理由は関連し、個人やチームの教育の問題といえます。指導者は、ペナルティ・エリアの外側からチャンスがあればシュートを打つことが、効果的なチームワーク作りに欠かせないということをプレーヤーに理解させることが必要です。もしプレーヤーがそのような長い距離から正確なシュートができない場合は、練習でそれを克服することができます。

 むしろ問題なのはパワーがないと思っている方です。パワーがないからゴールキックに自信がないとか、ハーフラインまで届かない、だからペナルティ・エリアの外からシュートを打つ自信がない。これでは基本体力のところからやり直しです。

 ここで対象にしているのはシニア・プレーヤーだからです。すでにテクニックの問題は卒業して態度の問題を論じているからです。パワーでなく正確さは練習によって求められるのです。

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出典 「サッカーの戦術と技術」2 イングランドサッカー協会コーチングブック