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1対1の攻撃戦術マークをはずす

1対1の状況をつくる

 味方からのパスを確実に受けることが,1対1の勝負の第1歩である。そのためには,自分をマークしている敵から離れる,という作業が必要になってくる。

 マークされたままボールを受けたら,インターセプトされる危険性があるし,そうでなくても,ボールを受ける瞬間にタックルされる。マークされたまま,一番いい状態でボールを受けたとしても,相手ゴールに背を向けてボールをキープするのが精一杯だろう。

 しかし,タイミングよく動けば,自分をマークしている相手との間の適当な間合いを利用して前(相手ゴール)を向き,相手を抜きさることもできるわけだ。

マークをはずす2つのポイント「走る方向を変える」「スピードの変化」

 マークをはずす動きの原則は,2つのポイントがある。その1つは「走る方向を変える」という方法だ。

 まず,図1のように,最初こ前へ走っておいて急激にターンして,短い時間,マーカーから離れるという方法がある。

 この方法の利点は,前に走れば,相手は一発で突破のパスを通されないために,必ず必死についてくるということだ。そのため,自陣に戻るようにターンすれば,確実に相手から離れることができる。

 だが,この方法でマーカーから離れても,相手がゴール側にいることになる。そこで,「変える方向」を180度ではなく,90度にすると相手からの距掛は短くなるものの,ゴールを狙いやすい状況になる(図2)。

 さらに,45度にすると,うまいタイミングでボールが出れば,そのままスピードを生かして突破することができる(図3)。

 また,最初の動きをゴールとは関係ない方向にもっていけば,ゴールヘの道を完全に空けることも可能だ(同4→@とA)。

 マークをはずす第2のポイントは,「スピードを変化させる」ことだ。

 ゆっくり走って相手についてこさせて,ひとたび急にスピードを上げて置き去りにしてしまうのだ(図5)。一度止まってまた素早く動き出すことも,相手を引き離す有効な手段だ。

マークをはずす、6つの方法

図1

DFをひきつれ前に走り、急激に180度ターンしてマークをはずす

図2

走る方向を90度変えてマークをはずす

図3

方向を45度に変える。このままマークをはすし突破も可能

図4−@

最初の動きをゴールと違う方向にもっていくとゴールの道を開けることもできる

図4−A

 

図5

走るスピードを急激にあげてマークをはずす

 

 この2つのポイントの他に,「パッサーの状況を見て,自分の動くタイミングをはかる」ということも大切だ。自分にパスをくれる選手がダイレクトでパスができそうか(図6),それとも2タッチで出せそうなのか(図7)を,状況を見て判断し,動き出す,ということだ。この判断ができるようになれば,守備側はつらい状況になるだろう。

パッサーの状況を見てパスを受ける

図6

パッサーがダイレクトでパスを出せるときには急激にターン

図7

パッサーが2タッチでパスを送るときはその時間、守備側をひきつけ素早くターン

マークをはずすときの注意点

 マークをはずすときに気をつけたいのは,あまり複嬢な動きは意味がない,ということだ。

動きを複雑にしてしまうと,パスをする選手がどのタイミングでどこに出したらいいのかわからなくなってしまうからだ(図8)。シンプルに動いて,パスしやすいようにすることが大切だ。

パッサーの状況を見てパスを受ける

図8 パスが出しにくい場合

あまり複雑な動きをするとパッサーはどのタイミンクでパスを出していいかわからなくなってしまう

 もう1つ気をつけたいのが,「開く」動きだ。「開く」とは後方のパッサーから見てパスを出しやすい角度に動くことをいう。

 しかし,ここでまちがいやすいのが,「外へ」という意識と「少しでも前へ」という意識が重なり,「斜め前」に走ってしまうケースだ(図9)。これではパッサーから見た角度はまったく変わらず,パスは出せない。はっきり横へ,あるいは斜め後方に動くことが大事だ(図10)。こうすれば,パスを安全に出すことができるのだ。

「開く」動き

図9

「斜め前」へ走ってしまっては、パスは出しにくい

図10

横か斜め後ろに動けばパスは出しやすく、成功の確率は高くなる

それぞれの状況でマークのはずし方を判断する

 このように,走る方向とスピードを変化させることで,マークをはずすことが可能になるわけだが,細かい動きは,プレーの行われているポジションや,選手の個性,持ち味などで,変わっていく。状況に適したマークのはずし方ができるようになることが大切だ。

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出典 Jリーグをめざす!サッカー戦術編 編著 横浜マリノス